毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■ くだもの&健康ニュース Vol.263
■◇ 2023年1月27日(金)配信
こんにちは!
宇宙でも果物の摂取が大切なことが分かりました。(文献紹介から)
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>
・ 季節の便り
・ くだものレシピ:梅の花
・ くだもの広場:「果物が好きになるパンフレット
からの紹介(連載第5回)
・ 文献紹介:健康とパフォーマンスを改善する宇宙飛行士の食事
・ 文学の中の果物:梅花の気品(豊島与志雄)
・ くだものいちば
・ 編集部より
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■ 季節の便り
さむくとも梅か香くはる風のむき
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:梅の花
○ 梅入りひじきの煮物
栄養たっぷりのひじきの煮物に梅花にんじんの甘煮と枝豆を加え
てみました。黒糖や梅干しも入れさっぱりした味付けです!!
材料(4人分)
梅干し 2つ、芽ひじき(乾燥) 30g、油揚げ 1枚、枝豆(ゆで) 適
量、ごま油 大1杯、だし汁 200ml、しょうゆ、黒糖(砂糖)、酒、な
ど。
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
https://cookpad.com/recipe/5868171
○ 梅花揚げだし豆腐のわさびあん
梅の模様は花を表現しています。さっぱりといただけます
材料(1人分)
梅干し 半個、木綿豆腐 半丁、昆布だし(顆粒) 2g、わさびす
りおろし、ごま油(揚げ用)、片栗粉(揚げ用)、塩、みりん、酒、
砂糖(だしに入っていたら加えない)、片栗粉、胡瓜輪切りスライス
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
https://cookpad.com/recipe/3067266
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■ くだもの広場:「果物が好きになるパンフレット
からの紹介(連載第5回)
エピローグ
・果物は健康に良いのになぜ、消費者の間に健康懸念の「誤解」が
広がるのでしょう
果物を健康に活かす取り組みは、医療分野を含め(資料編参照)以
前より活発です。にもかかわらず、果物に対する誤った風評を覆す
に至っていません。何故でしょうか。ハンス・ロスリングほか著、
「ファクトフルネス、61〜96ページのネガティブ本能」には「メデ
ィアや活動家はあなたに気づいてもらうため、ドラマチックな話を
伝えようとする傾向があります。しかも悪いニュースの方が劇的に
なりがち」と書かれています。果物については、「果糖の害」と
「果物に果糖が含まれる」を深く考えることなく結び付けた「ファ
クトフルネス」の指摘を実際に見るような報道があふれています。
過度に表現された誤った情報に負けないよう、果物関係者も声を上
げましょう。
・食生活は、主食・主菜・副菜を基本に、果物も加えてバランスよく!
厚生労働省と農林水産省による食事バランスガイドでは、1日に
「何を」、「どれだけ」食べたら良いかの参考となる食事内容の組
み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示しています。
果物関係者は、食事バランスガイドを利用して果物が健康に役立つ
成分に富む食品であることを強調し、単なるデザートではないこと
をアピールすることを勧めます。「厚生労働省健康日本21」では、
国民に現在よりも多量の果物を食べてもらうよう、毎日の果物摂取
量が100グラム以下の人を、61.4%(平成22年)から30%(平成34
年度)まで減らす計画をしています。本資料がこの計画の一助とな
り、果物をあまり食べない人がもっとたくさん食べるようになるこ
とを願っています。
(注)第4次食育推進基本計画では、令和7年度までに果物摂取量100g
未満の者の割合を30%以下とすることを目指すとされています。
・財布に優しい商品を
消費者のみなさんの中には「国産果物は美味しいけれど高価で十分
に食べられない」との意見があります。果物も量販店や通販で見か
ける、割安の「わけあり」商品の活用はいかがしょう。高級果物の
ような外観や味には及ばなくても価格的にも無理なく食べられ、し
かも消費者の健康増進における役割は多大です。生産・販売に携わ
られている皆さん、消費者向けに財布に優しい果物商品が手軽に入
手できるようなシステムの構築をお願いします。
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■ 文献紹介:健康とパフォーマンスを改善する宇宙飛行士の食事
長時間の宇宙飛行は、免疫系の調節不全など人間の健康に影響を
与えることが知られています。また、宇宙船のサイズと電力の制約
により、宇宙に持ち込めるものが制限されます。宇宙飛行士が食べ
る食品は、宇宙飛行中の健康への悪影響を緩和する可能性がありま
すが、その食品は、質量、体積、保存期間、および保管要件によっ
て制限されます。
宇宙食システムは、宇宙飛行中の不適応な生理学的変化への対策
として役立つ可能性を秘めています。そこで、アメリカ、NASAジョ
ンソン宇宙センターなどの研究チームは、宇宙飛行中の健康とパフ
ォーマンスを改善するための食事の研究を行った結果、従来の標準
的な宇宙食であるISSダイエットよりも果物、野菜、魚を強化した
食事が優れていると、「サイエンス・レポート」に発表しました。
宇宙飛行士の健康と、宇宙飛行における食料資源の優先順位を決
める目的で行われた実験では、地球上の宇宙飛行シミュレーション
室で16人 (男性10人、女性6人)を対象に、2つの食事(現在使われ
ている標準的な宇宙食ISSダイエットと果物などを強化した宇宙食)
の影響の違いを調査しました。
ISSダイエットとは、国際宇宙ステーションの医学パネル栄養ワ
ーキンググループが作成した栄養プログラムで、タンパク質が10-
15%、炭水化物が50%、脂質が30-35%に設定されており、ビタミ
ンCは1日当たり100mgとされています。
一方、強化された宇宙食とは、ISSダイエットに、フラボノイド
を含む果物と野菜の種類や量を増やし、かつオメガ3脂肪酸の供給
源である魚を強化しました。具体的には、果物と野菜を1日6サービ
ング以上、かつ週に2〜3サービングの魚を摂取してもらいました。
実際の宇宙飛行の状態をシミュレートするために、各ミッション
の開始前に食品がチャンバーに保管されました。被験者は、唾液、
尿、血液、および便のサンプルを提供し、ミッション全体で認知評
価タスクも実施しました。そして、密閉された宇宙飛行環境をシミ
ュレートするように設計された地球ベースの閉鎖チャンバーで、さ
まざまな食料を保管する実用性とともに、45日間のミッションが実
施されました。
実験の結果、果物などを強化した宇宙食を摂取した人は、ISSダ
イエット食を摂取した人よりも、コレステロール値、コルチゾール
値が低く(ストレスが少ないことを示唆)、認知速度、正確性、注
意力が高く、マイクロバイオームがより安定していることが分かり
ました。
以上の結果から、果物などを強化した宇宙飛行食は、個人の健康
とパフォーマンスに大きな利益をもたらし、宇宙飛行士にとって、
たとえ短期間の宇宙ミッションであっても有益である可能性がある
と結論付けられました。宇宙でのより健康的な食事を評価するには
さらなる調査が必要ですが、これらの調査結果は、将来の宇宙探査
ミッションにおける食料資源の優先順位を導くのに役立つと著者ら
は述べています。
【文献】
Douglas, G.L. et al.: Impact of diet on human nutrition, immune
response, gut microbiome, and cognition in an isolated
and confined mission environment. Sci. Rep., 12: 20847. (2022)
[doi: 10.1038/s41598-022-21927-5]
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■ 文学の中の果物:梅花の気品(豊島与志雄)
梅花の感じは、気品の感じである。
気品は一の芳香である。眼にも見えず、耳にも聞えない、或る風
格から発する香である。甘くも酸くも辛くもなく、それらのあらゆ
る刺戟を超越した、得も云えぬ香である。人をして思わず鼻孔をふ
くらませる、無味無臭の香である。それと明かに捉え得ないが、そ
れと明かに感じ識らるる、一種独特の香である。何処からともなく、
何故にともなく、何処へともなく、自からに発散して漂っている、
浮遊の香である。
それはまた、梅花の香である、薄すらと霧こめた未明の微光に、
或は淋しい冬日の明るみに、或は佗びしい夕の靄に、或は冷々とし
た夜気に、仄かに織り込まれて、捉え難く触れ難く、ただ脈々と漂
ってる、一種独特の梅花の香は、俗塵を絶した気品の香である。そ
の香を感じてその花を求むるは、俗であり愚である。花の在処を求
めずに、漂い来る芳香に心を澄す時、人は気品の本体を識るであろ
う。
気品はまた、一の凛乎たる気魄である。衆に媚びず、孤独を恐れ
ず、自己の力によって自ら立ち、驕らず卑下せず、霜雪の寒にも自
若として、己自身に微笑みかくる、揺ぎなき気魄である。肥大なら
ず、矮小ならず、膨張せず、萎縮せず、賑かからず、淋しからず、
ただあるがままに満ち足って、空疎を知らず、漲溢を知らず、恐る
ることなく、蔑むことなき、清爽たる気魄である。
それはまた、梅花の気魄である。霜雪の寒さを凌ぎ、自らの力で
花を開き、春に魁けして微笑み、而も驕ることなく、卑下すること
なく、爛漫たる賑かさもなく、荒凉たる淋しさもなく、ただ静に己
の分を守って、寒空に芳香を漂わしてる姿は、まさに気品そのもの
の気魄である。しみじみと梅花に見入る時、恐怖や蔑視や悲哀や歓
喜など、凡て心を乱すが如き情は静まって、ただ気高き気品の気魄
に、人は自ら打たるるであろう。
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■ くだものいちば
今回は、札幌市中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。
入荷量が多いのは、ミカン、イヨカン、リンゴ、イチゴ、バナナ、
キウイフルーツなどです。
[旬の果物と産地]
ウンシュウミカンは和歌山、長崎、静岡産です。
イヨカンは愛媛産です。
ハッサクは熊本産です。
不知火(デコポン)は熊本産です。
レモンは佐賀産です。
グレープフルーツは南アフリカ、メキシコ産です。
リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森、北海道産です。
カキ(富有)は福岡産です。
イチゴ(とちおとめ、もういっこ)は宮城、栃木産です。
バナナはフィリピン、メキシコ産です。
パイナップルはフィリピン産です。
キウイフルーツはニュージーランド産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ 編集部より
宇宙ステーションでは100種類以上の食事メニューがあるそうで
す。もちろん果物も含まれています。果物は宇宙でも健康の維持・
増進に役立っています。(tnk)
1年で最も厳しい寒さの時期がやってきました。部屋を暖かくし
て、美味しい果物をたくさん食べて寒さに負けないようにしましょ
う。(EK)
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◆発 行◆
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