毎日くだもの200グラムメールマガジン
□■ くだもの&健康ニュース Vol.261
■◇ 2022年12月9日(金)配信
こんにちは!
文献紹介の「医師も納得する果物の2型糖尿病予防効果」をぜひお
読みください。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは下記です。
http://www.kudamono200.or.jp
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<<< 本日のメニュ− >>>
・ 季節の便り
・ くだものレシピ:イチゴ
・ くだもの広場:「果物が好きになるパンフレット」
からの紹介(連載第3回)
・ 文献紹介:医師も納得する果物の2型糖尿病予防効果
・ 文学の中の果物:荒野の呼び声(ジャック・ロンドン/山本政喜訳)
・ くだものいちば
・ 編集部より
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■ 季節の便り
旅人の山路に暮れるいちご哉
− 正岡子規
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■ くだものレシピ:イチゴ
○ ハートいちごのフレッシュチーズピザ
酸味とコクがおいしいクリームチーズ&サワークリーム、甘酸っ
ぱいイチゴ、風味と食感のいいピスタチオがマッチ
材料(1枚分)
イチゴ 1パック、ピスタチオ 5粒、クリームチーズ 100g、サ
ワークリーム 100g、生クリーム 100mL、砂糖 大さじ1杯、市販の
ピザ生地 1枚(直径19〜22cmのもの)
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
https://cookpad.com/recipe/6524759
○ いちごアールグレイチキン南蛮
イチゴアールグレイチキン南蛮
材料(2人分)
イチゴ 5個、アールグレイティー 50ml、鶏もも肉 1枚(300g)、
ゆで卵 2個、玉ねぎ 1/4個、パセリ 適量、溶き卵 1個分、薄力
粉、しょうゆ、コンソメ(顆粒)、サラダ油、酒、砂糖、マヨネー
ズ、牛乳、レモン汁、塩、こしょう
作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。
https://cookpad.com/recipe/7159097
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■ くだもの広場:「果物が好きになるパンフレット」
からの紹介(連載第3回)
Q4 果物の糖分は糖尿病の原因になりませんか?
A4 みかんの町静岡の三ヶ日町で、本格的な疫学研究が実施され、
みかんが糖尿病・骨粗しょう症・動脈硬化症・肝機能異常症・脂質
代謝異常症を予防することが明らかになり、世界に発信されました。
みかんをよく食べると橙色色素で健康効果のあるβ−クリプトキサ
ンチンが体内に蓄積します。農林水産省果樹研究所(現国立研究開
発法人 農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門)などに
よる研究から、平成15年から平成25年の10年の調査期間中の糖尿病
発症率が、みかんをよく食べ、体内にβ−クリプトキサンチンが増
えている人はみかんを食べない人よりも57%も低いことがわかりま
した(次図)。海外にも果物をよく食べる人には糖尿病発症が少な
いとする多くの研究があります。
(文中の図は、下記に掲載されているパンフレットの5ページの棒
グラフをご覧ください。)
https://www.japanfruit.jp/Portals/0/resources/JFF/kudamono200/kudamonosukipanf.pdf
・果物が2型糖尿病の予防になる根拠
果物は健康に良い成分の宝庫です。食物繊維、ポリフェノール(フ
ラボノイド)、抗酸化物質(β-クリプトキサンチンのようなカロ
テノイド、ビタミンCなど)、カリウムはその代表です。
肥満は2型糖尿病の要因の一つですが、果物が原因で太るとはいえ
ません(Q3とA3)。また、嬉しいことに果物には2型糖尿病の
原因となるインスリン抵抗性(血糖値を調整するホルモンであるイ
ンスリンが働きにくい体質)を改善してくれる成分が含まれていま
す。
・糖尿病の皆さん、果物は1日80kcalまで
糖尿病になると摂取カロリーの制限が求められます。果物について
は糖尿病学会では1日あたり1単位(80キロカロリー:みかんなら
2、3個)までと規定しています(糖尿病食事療法のための食品交
換表)。また、糖尿病の医療書には「間食のお菓子類を減らし、適
度の果物類や乳製品を勧める」と書かれることもあります。果物は
健康に良い成分を豊富に含むため、糖尿病を患っている患者さんに
も健康への貢献を期待するからでしょう。ただ食べ過ぎには注意し、
80キロカロリーの厳守を心がけましょう。
Q5 医者から果物を控えるよう言われました。どうしたらよいで
しょう
A5 担当医に以下の質問をしてください
・私の果物摂取量は食事バランスから考えて食べ過ぎですか?
・どれくらいから食べ過ぎになるのでしょう?
・私の持病には果物を食べると何か支障があるでしょうか
担当医の答えが「はい」であったら細かな指示を受けてそれに従い
ましょう。一方、答えが具体的でなかったら、甘いもの、脂っこい
ものは控え、果物は食事バランスが崩れない範囲で食べてください。
おいしくて栄養素が豊富な果物は、肥満になることなく、生活習慣
病予防のほか、便秘、美肌にも効果があります。1人1日200グラム
を目途に果物を食べて、健康で豊かな生活を送りましょう。果物の
関係者や研究者による協議会では「毎日くだもの200グラム運動」
を展開しています。
医療分野では疾病ごとに予防・診察・診療のためのガイドラインを
制定しています。この中でも果物と野菜の摂取を奨励していますが、
例外的な事例がいくつかあります。腎臓病患者は果物・野菜からの
カリウム摂取が多いと治療に支障があるので注意を促しています
(*)。また、上述のとおり糖尿病でカロリー制限のある人は果物
について80キロカロリーまでとされています(**)。高トリグリ
セリド(中性脂肪)血症の場合は果物を1日100gと低い摂取量を指
導しています(***)。それ以外の病気(例えば高尿酸、高プリ
ン体など)では、ガイドラインに野菜・果物の摂取を抑える指導を
している例は見られませんが、かかりつけの先生にご相談ください。
参考資料
*:高血圧治療ガイドライン2019 日本高血圧学会
**:糖尿病診療ガイドライン2016 日本糖尿病学会
***:脂質異常症診療ガイド2018年版 日本動脈硬化学会
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■ 文献紹介:医師も納得する果物の2型糖尿病予防効果
各国の食事ガイドラインでは、健康的な食事の重要な要素として、
果物と野菜の摂取量を増やすことを推奨しています。一方で、低炭
水化物ダイエットを支持する人たちからは、果物や野菜の利点に疑
問が示されていました。
さらに、疫学調査からリスク低減に有効と考えられたβ−カロテ
ン、ビタミンE、ビタミンCのサプリメントの無作為化試験では、2
型糖尿病の発症リスクに有意な影響を与えませんでした。
そのため、疫学研究から得られた結果は、栄養素の効果をしめし
たものではなく果物と野菜の摂取量を示すバイオマーカー(指標)
であり、果物と野菜の予防効果は、各栄養素の複合的な効果の結果
であると考えられてきました。
果物や野菜には、ビタミン C やカロテノイド以外にも、食物繊
維、フラボノイドなどの植物化学物質、その他の抗酸化物質など、
多くの成分が含まれており、そのすべてが健康に有益な影響を与え
る可能性があります。
イギリス、ケンブリッジ大学臨床医学部などの国際研究チームは、
果物と野菜の摂取量を示す血液中のバイオマーカー(ビタミンCと
カロテノイド)と、2型糖尿病のリスクとの関連性を調査したとこ
ろ、果物と野菜の摂取量を増やすと2型糖尿病のリスクを減らせる
ことが明らかになったと、四大医学雑誌の一つである「イギリス医
学雑誌(BMJ)」に発表しました。
研究は、ヨーロッパ8か国で行われている前向きコホート研究に
参加している約35万人を対象に2型糖尿病の発症と血液中のバイオ
マーカー(カロテノイド、ビタミンC)との関係を調査しました。
その結果、血液中のビタミンC濃度が高いほど、2型糖尿病を発症
するリスクが低くなることが分かりました。総カロテノイドについ
ても同様の逆相関が認められました。
ビタミンCとカロテノイドで構成する複合バイオマーカースコア
にもとづいて5つのグループに分割し、最もスコアが低いグループ1
と比較して、2型糖尿病のリスク低減効果は、グループ2が23%、
グループ3が34%、グループ4が41%、グループ5が50%でした。
果物と野菜の摂取量は複合バイオマーカースコアのグループ 1は
274 g/日、グループ3は396 g/日、グループ5は508 g/日でした。
以上の結果は、血液中のビタミンC、カロテノイドで構成された
複合バイオマーカー スコアと、ヨーロッパのさまざまな国におけ
る2型糖尿病の発生との間に逆相関があることを示しています。こ
れらのバイオマーカーは、果物と野菜の消費量の客観的な指標であ
り、果物と野菜の消費量を少し増やすだけで2型糖尿病の発症を防
ぐのに役立つことを示しています。
今回の結果は、単一の栄養素ではなく、果物と野菜に含まれる
様々な栄養素の組み合わせによって2型糖尿病が予防できたと考え
られました。また、単一のビタミンサプリメントの無作為化試験で
は、β−カロテン、ビタミンE、ビタミンCが2型糖尿病の発症リス
クに有意な影響を与えなかったのは、投与したのが単一成分であり、
果物や野菜に含まれる様々な成分の複合効果を無視したためと考え
られました。
果物と野菜の摂取が有効な理由は、肥満の抑制、ブドウ糖-イン
スリンの恒常性維持、炎症反応抑制などの複合的な効果で2型糖尿
病のリスクが低下したと考えられました。さらに、果物や野菜の摂
取で腸内微生物叢が改善することも関係していると示唆されていま
す。
2型糖尿病予防に対する以上の結果は、「くだもの毎日200グ
ラム」の強力な証拠です。
【文献】
Zheng, J-S. et al.: Association of plasma biomarkers of fruit
and vegetable intake with incident type 2 diabetes: EPIC-I
nterAct case-cohort study in eight European countries. BMJ,
370:m2194. (2020) [doi: 10.1136/bmj.m2194]
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■ 文学の中の果物:荒野の呼び声(ジャック・ロンドン/山本政喜訳)
ジョン・ソーントンは人間にも自然にも殆ど何物も求めなかつた。
一握りの塩と一挺の鉄砲があれば、荒野に分け入り、好きなところ
で好きな期間暮すことができた。急ぎもしないので、インディヤン
流に、一日の旅の途上で狩猟をして食事をかせいだ、そして食事に
ありつかなくとも、インディヤンがやるように、早かれ遅かれいつ
かはありつくものと確信して旅をつづけた。そこで、この東部への
大旅行において、生一本の肉が献立で、弾薬と器具が主として橇の
積荷をなしていた、しかもタイム・カードは無限の将来までのびて
いた。
バックにとつては、この狩猟と、魚捕りと、異境をあてどもなく
逍うことは、無限の喜びであつた。一時に何週間もつづけて彼等は
毎日着々と進みつづけ、そこここで何週間も引続いて野営し、犬共
はほつつき廻り、人間たちは火を燃やして凍土や砂利に穴をあけ、
火の熱によつて何杯も何杯も泥を洗つて選鉱した。まつたく鳥獣の
多寡と狩猟の成績如何によつて、空腹ですますこともあり、無茶な
大食をすることもあつた。夏がくると、犬も人間も荷物を背負い、
山間の青い湖水を筏で渡つたり、名もしれぬ川を立木を切りだして
造つた細長い舟で上つたり下つたりした。
月日が来たりまた去つていつた。そして彼等は、誰も行つたこと
のない、しかももし例の所在の知れぬ小屋の話が真実であれば行つ
た人もある、地図に出ていない広漠の荒野を縫うようにして歩きま
わつた。彼等は夏の吹雪をおかして分水線の山々を越え、樹木限界
線と万年雪の間の裸の山の上で真夜中の太陽〔北極に近いところで
は夏には太陽は殆ど沒しない〕の下でふるえ、夏の谷間に下つては
ぶよや蠅にたかられ、氷河のかげで南国の誇りとするものに劣らぬ
ほど見事に熟した莓(いちご)や美しい花を摘んだ。その年の秋に
は彼等は、悲しくものさびた、不気味な湖水地方へはいりこんだ、
そこには野禽は来ていたかもしれないが、今では生あるものは何一
つ、その痕跡すらもなかつた―あるものはただ吹きまくる冷たい風
と、物蔭に張りつめた氷と、もの淋しい湖水の岸にうちよせる憂鬱
なさざなみだけであつた。
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■ くだものいちば
今回は、水戸市公設地方卸売市場に入荷している果物を紹介しま
す。入荷量が多いのは、ミカン、リンゴ、カキ、イチゴなどです。
[旬の果物と産地]
ウンシュウミカンは愛媛、長崎、佐賀産です。
リンゴ(ふじ、など)は長野、青森産です。
セイヨウナシ(ラ・フランス)は山形産です。
カキ(富有、など)は岐阜産です。
イチゴ(紅ほっぺ、とちおとめ)は茨城産です。
メロン(アールス、な)は高知産です。
キウイフルーツは愛媛産です。
「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。
https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do
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■ 編集部より
医療の現場では、「果物の摂取を控えて」との声を良く耳にしま
す。特に、糖尿病の栄養指導では一般的とも言える状況です。ケン
ブリッジ大学などが発表した今回の結果が医療の現場に広く伝わる
と良いのですが。(tnk)
あっという間に師走です。冬といえば「こたつでみかん」ですね。
ポカポカと暖まりながら、甘くておいしいみかんをたくさん食べま
しょう。(EK)
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◆発 行◆
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